宮崎精鋼を選んだ理由は何ですか?
一般的に理系学部出身者は、大学での学びを生かした仕事に就きたいと考える傾向がありますが、私もそうでした。自動車業界の中でもモノをつくっている会社を探しており、社員を時に厳しく、時に優しく育ててくれそうな宮崎精鋼を気に入りました。また、福利厚生が充実していたことも決め手のひとつです。面接では自分が会社探しをしている際に条件に挙げていることを伝えつつ、何事もまず行動に移す積極性があることをPR。入社するにあたっては、一人前の社会人として早く活躍できるようになりたいと思っていました。
どんな仕事をしていますか?
当社が製品をつくる工程の中では、材料を特定の温度に加熱した後に冷却する焼鈍という熱処理が行われます。その際、熱処理炉が使われますが、そのメンテナンスと保全に努めるのが私の仕事です。クルマも毎日乗っていると、安全点検や車検が必要。部品を交換することで、再び快適な走行性能が保たれます。熱処理炉も同じなんです。日々稼働している炉も時には調子が悪くなることがありますので、そういった時に何が原因で不調に至っているのかを調べ、迅速に対処。再び熱処理が行える状態に戻して、熱処理を再開させます。
仕事をする上でのこだわりは
熱処理炉の故障の対処に当たる以前に、故障を起こさないようにしておくことも大切。定期的なメンテナンスは故障の予防に有効です。設備が常に安定稼働していれば、生産に遅れが生じることはなくなります。熱処理工程で足踏みをすれば、後工程にも迷惑がかかり、場合によっては納品先にも迷惑をかける事態に発展しかねません。だからこそメンテナンスの重要性は常に肝に銘じておく必要があると思っています。設備と向き合うことが自分の仕事ですが、その先には当社の製品を求めてくださっているお客様の存在があることを忘れてはなりません。
印象深いエピソードは?
入社1年目からQCサークルのリーダーに選ばれました。このサークルは、社内の品質管理の手法や仕組みを見直し、品質向上につなげていくための改善を提案する小集団なのですが、経験の浅い私はリーダーとしての務めが果たせず、サークルをうまく機能させることができませんでした。この時のほろ苦い経験から、周囲を頼っていろいろな人から意見を聞くことの大切さを痛感。また、多くの答えは現場で拾えるので、現地現物も徹底するようになりました。後輩が増えた今、こうした経験に基づく気づきを伝えていくのも先輩の使命だと思っています。